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2024.03.14

M&Aコラム

M&Aにおけるシナジー効果の最大化方法

M&A取引において、運用の効率向上によるコスト削減や、資産のより効果的な利用による収益の向上など、さまざまな理由から相乗効果(シナジー)が生まれることがあります。ここでは、シナジー効果の最大化方法についてご紹介します。

1.シナジー効果とは

M&Aにおけるシナジー効果とは、2つ以上の企業が統合されることにより、単純に企業を単独で運営するよりも大きな価値が生じることを指します。シナジー効果は、M&Aが成功するための重要な要素であり、売上増加、コスト削減、新たな市場の開拓など、さまざまな形で現れます。 M&A戦略を行う上で、シナジー効果を理解することは重要です。

1.1シナジー効果の種類

シナジー効果は、大きく4つのカテゴリーに分類されます。それぞれのシナジー効果は、企業の統合により生じる様々なメリットを示しています。
・売上シナジー: M&Aの代表的なシナジー効果です。クロスセリングやアップセリング、販売チャネルの拡大、ブランド効果などにより売上が増加します。一般的に売上シナジーは、同一市場の顧客に対して、より広範なサービスや製品を提供することによって発生します。

・コストシナジー: M&Aにより、コストの削減が実現する効果です。営業拠点の統廃合をはじめ、企業規模拡大による価格交渉力の強化や仕入れコストの削減、物流コストの削減などが例に挙げられます。

・研究開発シナジー: それぞれに異なる企業が一つになることで、商品開発の技術力が高くなる効果です。研究開発投資力の強化や技術・ノウハウの複合により、新たな技術や製品の開発が可能になります。

・財務シナジー: 主に、資金調達に関連するシナジーのことを指します。財務シナジーは、資本調達コストの削減や資本調達余力の増加などです。ほかのシナジー効果とは異なり、M&Aを実施する際の原動力にはなりにくいと言われています。

2.M&Aにおけるシナジー効果の最大化方法

シナジー効果を最大化するためには、自社と相手企業のシナジー効果を定量化して交渉を進めることが重要です。また、適切なフレームワークを用いて戦略を立て、具体的な行動計画を作成することも必要です。

2.1シナジー分析のためのフレームワーク

M&Aでシナジー効果を生み出すため、人材、拠点、資金など内部リソースのフレームワークを検討できるでしょう。内部リソースは、譲受企業と譲渡企業が保有する経営資源です。人材においては、譲受企業が、売り手である譲渡企業の技術力を吸収することでどのようなシナジー効果が生まれるのかを考えます。拠点においては、M&Aを行うことでどのように効率的な物流が生まれるかを検討します。また、顧客や仕入先といった外部リソースのフレームワークも、シナジー分析には欠かせません。仕入先においては、譲受企業と譲渡企業がどこから製品を仕入れているかを知り、コスト削減できるかを検討する必要があります。

2.2アンゾフの成長マトリックス

M&A戦略の代表的なフレームワークに、アンゾフの成長マトリックスがあります。経営学者のイゴール・アンゾフ氏が提唱したフレームワークで、基本的には、買い手である譲受企業の視点に即したものです。アンゾフの成長マトリックスは、市場浸透戦略、新製品開発戦略、新市場開拓戦略、多角化戦略と呼ばれる4つの戦略の組み合わせとなっています。
・市場浸透戦略:既存市場で既存製品の事業を展開する企業戦略のこと。既存の製品やサービスを既存の顧客層に向けて増やし、市場でのシェアを拡大します。市場開拓や製品開発が必要なく、コストとリスクを抑えて新規顧客を獲得できるのがメリットです。
・新製品開発戦略:既存市場に新製品を投入し続ける戦略です。既存の市場や顧客に対して、新しいサービスや製品等を提供し、新たな成長を実現します。この戦略では、ブランド力を持っている企業、特殊技術を持っている企業が買収対象です。
・新市場開拓戦略:新しい市場に既存製品を提供する戦略です。この戦略を実施する場合には、同一事業であり、なおかつ別のエリアで営業展開している企業が買収対象になる場合が多々あります。
・多角化戦略:新製品で新市場への進出を狙う戦略です。多角化戦略は「水平型」「垂直型」「集中型」「集約型」の4つに分けることができます。集約型は、異なる分野の事業に新たに進出することを指し、4つの中でもっともリスクが高い戦略です。

3.シナジー効果とM&Aの成否

M&Aの成功を左右する重要な要素であるシナジー効果。しかし、M&Aの成功は、シナジー効果だけで決まるわけではありません。M&Aの成功には、適切な戦略、良好なコミュニケーション、適切な統合計画などが必要です。

3.1アナジー効果とピュアカンパニー化

M&Aにより、期待通りのシナジー効果が生じない場合があります。また、M&A前よりも業績が低下する場合もあります。このような場合、M&Aによりアナジー効果(マイナスの効果)が生じていると言えるでしょう。対策として、ピュアカンパニー化(会社や事業を元の形に戻す)を行う必要があるかもしれません。例えば、大手半導体メーカーであるインテルは、1980年代初めにはDRAMやEPROMなどのメモリービジネスが主力でした。しかし、すべての製品に十分な資源を分けるのが難しくなった結果、メモリー企業から撤退してピュアカンパニー化を進め、CPU企業として成功を収めました。

4.M&Aの成功事例

M&Aでより高いシナジー効果を得るには、リスク検討やタイミングのほかにも、技術の相性、市場規模の大きさ、投資金額、競合の存在、サービス提供のチャネル、相手企業のブランド力を考慮する必要があります。これらを考慮した結果、M&Aを成功させた企業も少なくありません。ここでは、M&Aの成功事例をご紹介します。
2022年2月、ソニーの子会社であるソニー・インタラクティブエンタテインメントは、アメリカのゲーム開発会社「バンジー」を買収しました。世界的に急成長を続けるゲーム市場の将来性に着目したソニー・インタラクティブエンタテインメントは、高度なゲーム開発技術を持つ企業を買収したことにより、研究開発シナジー効果を得ています。
2021年10月、ココカラファインとマツモトキヨシは経営統合を実施しました。ドラッグストア業界のM&Aはめずらしくありませんが、さらなる事業の成長を目指して発足した「マツキヨココカラ&カンパニー」は、業界トップに返り咲きます。この経営統合のおかげで、商品の共同開発や販促戦略のデジタル化が進み、売上シナジー効果が得られました。

5.まとめ

M&Aによるシナジー効果は、企業の成長と利益増大の大きな要素です。シナジー効果を最大化するためには、適切な戦略と統合計画、リスク管理が必要です。これらを適切に行うことで、M&Aの成功確率を高めることができます。

最後に

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