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2024.03.25

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M&Aと企業文化統合の戦略

<pM&A(企業の合併・買収)は企業の成長戦略の一つとして、現代日本でも急速に増加しています。しかし、実際のところM&Aの成功率は高いとは言えません。その主な理由として、異なる企業文化の統合が困難であることが挙げられます。本記事では、M&Aにおける企業文化統合の戦略について詳しく解説します。

1.M&Aとは

M&Aは、主に企業の成長と事業承継を目的に行われます。 成長を目指す企業は、市場の変化に対応したスピード感のある事業開発を求め、外部リソースを獲得するためにM&Aを進めます。さらに、不採算事業を適切なタイミングで売却することにより、企業を成長さることが可能です。一方、事業承継を目指す企業は、後継者問題の解決を目的としたM&Aを行います。
しかし、M&Aの成功率はそれほど高くなく、M&Aの約70%は失敗に終わると言われています。その主な原因は、「人と組織の問題」にあります。異なる社風、および企業文化を持つ2社が一つになる際に、その企業文化を統合することは容易ではありません。

2. 企業文化統合の必要性

企業文化統合は、M&Aを成功に導くために重要な要素です。M&Aが決まった後には、新会社の企業文化を形成しなければなりません。しかし、それぞれに異なる企業文化を持つ組織が一つになると、多く問題が生じます。
これらの問題を解決するには、組織全体に「変革の必要性」を認識させ、新たな企業文化を浸透させることが求められます。そのためには、M&Aの目的とビジョンを明確にし、社員に伝えることが重要です。

3. 企業文化統合の戦略

企業文化統合の戦略は、組織全体の変革を目指すものです。企業文化統合を進める際に、組織開発に欠かせないプロセスとして、「準備」「変革実施」「定着」の3つのステップが挙げられます。

3.1 準備

契約締結前に行われるステップで、M&A後の新しい組織の形成に備えます。 M&Aが決定して組織全体に緊張感が走り、新しい組織に対する不安が高まるこの時期に、組織文化の異なる二社が一緒になるとどんなシナジーが生まれるのか、理想の組織体制はどのような形なのかを検討します。 M&Aの成功には、M&Aによって生じる混乱、従業員が抱える不安、取引先との良い関係が壊れることへの不安などに対処しなければなりません。企業文化統合は長期的な取り組みが求められますが、準備のステップでは社員に対して、新しい組織の目的やビジョンを明確にし、理解してもらえるように努める必要があります。

3.2 変革実施

M&Aの後、新しい組織の形成に着手する期間が変革実施です。このステップでは、業務オペレーションを統合し、共同で事業活動を推進します。業務オペレーションの統合は、企業がシナジーを生み出すのに欠かせません。目に見える組織文化でもある業務オペレーションを統合する際には、組織文化の衝突や役割の対立などの適応課題が発生する可能性があります。業務オペレーションの統合を円滑に進めるには、採用された仕事の手順、業務プロセスやツールの採用理由を知り、業務に当たる社員が納得する必要があります。

3.3 定着

定着のステップでは、M&A後に変革した内容を実行し、組織に適合させます。このステップを経ることで、新しい企業文化が社員に浸透し、企業文化の統合が完了します。このステップでは、M&Aおよび統合プロセスを振り返り、得られた知見を明示化し、今後のPMIに生かしたり、将来のM&Aに備えて組織全体で学びを蓄積することも重要です。

4. 企業文化統合の取り組み

企業文化統合を進めるためには、「人と組織」の視点を持つことが重要です。異なる組織文化が融合することで、衝突や対立が生まれます。これらを適応課題と呼びますが、組織全体の変革を目指す「Planned Change(組織に対する計画的な働きかけ)」を段階的に実施することで、適応課題の解決に繋がります。「Planned Change」の主要なステップは、準備、変革実施、定着で構成され、それぞれのステップごとに適応課題を整理し、解決策を考えていきます。

5. 組織文化統合の課題

組織文化統合には、多くの課題があります。組織文化の異なる2社が一つになる際には、組織文化の衝突、役割の対立、キャリアに対する不安、アイデンティティの喪失、職務特性の変容、給与などにおける不公平の発生といった適応課題が発生します。これらの課題を解決しない場合、M&Aは失敗に終わります。

6. 組織文化統合の成功貢献

組織文化統合を成功させるためには、以下の要素が重要です。

M&Aの目的とビジョンの明確化
社員へのコミュニケーション
「Planned Change(組織に対する計画的な働きかけ)」に基づいた組織変革
適応課題の解決

 

これらの要素を踏まえ、企業文化統合の戦略を進めていくことが求められます。

7. まとめ

M&Aは企業の成長や生き残りを目指す重要な経営戦略です。しかし、M&Aを行ったからといって、必ずしも目的達成を果たして成功するとは限りません。M&Aの成功を決める重要な要素は「企業文化統合」が欠かせません。組織全体の変革を目指す計画的なアプローチを実施し、適応課題を解決することで、企業文化統合を成功させることが可能です。

最後に

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