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2025.09.28

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M&Aで経営基盤を強化!学校法人の現状とM&Aの手法について

日本において、学校法人は、私立学校法に基づいて文部科学省または都道府県知事の認可を受けて設立されます。近年、厳しい経営環境の打開策として、M&Aを検討する学校法人も増えているようです。今回は、学校法人が直面している課題とM&Aの手法などについてご紹介します。

学校法人が抱える課題とは?

ここでは、学校法人の現状と課題についてまとめてみました。

  • 経営困難な学校法人が増加傾向に
    2025年4月、文部科学省所管の日本私立学校振興・共済事業団は、私立の大学等を経営する学校法人の174法人が、経営不振に陥っていることを公表しました。日本私立学校振興・共済事業団は、私立学校教育の振興に寄与し、経営の安定や教職員の福利厚生の向上を図ることを目的に設立された事業団です。今回は、全国661の学校法人に対して調査が行われました。その結果、全体の約4分の一にあたる数の学校法人が、2年以上赤字が続いてる、もしくは負債が運用資産を超過しているといった状態であることが判明しました。経営難であると判定された174法人のうち、再生困難な状況まで追い詰められている学校法人数は19法人です。さらに、将来的に経営困難に陥る可能性がある学校法人は182法人で、学校法人が経営面で問題を抱えている学校法人が全体の半数以上を占めることが明らかに。昨年の同調査では、経営困難であると判定された学校法人数が136法人であったことから、経営難に喘いでいる学校法人が増加傾向にあることがわかります。

    参考資料: https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20250411-OYT1T50081/

    ・18歳人口が減少している?
    経営面で問題を抱えている学校法人が増えている一因に、少子化による生徒数の減少が挙げられます。特に地方の学校法人では生徒数の減少が深刻であり、経営基盤の悪化に繋がっています。これは、少子化問題に加えて、都心部の学校法人を選択する生徒が多いことも関係していると考えられるでしょう。一般的に、大学に入学する年齢は18歳ですが、18歳人口は今後、減少傾向にあると言われています。2025年1月時点の18歳人口は109万人で、前年比で3万人増加しているものの、文部科学省の18歳人口の将来予測によると、2035年には100万人を割って約96万人になるとされています。

    ・学校法人を取り巻く現状
    生徒数の減少は学費収入の減少に直結する一方で、人件費や光熱費などの運営費は高騰しており、学校法人の経営は圧迫されています。また、景気低迷などの影響により、学校法人への寄付金が集まりにくくなっているほか、保有する不動産や有価証券の価値変動により、財務状況が悪化する可能性も。私立学校の場合、国や自治体からの補助金に大きく依存している場合が多く、補助金の削減や制度変更の影響を受けやすいのも問題です。学校法人が抱えるこれらの課題を解決するためには、生徒を獲得する必要があります。しかし、グローバル化や情報化の進展に伴い、教育内容の多様化や高度化が求められているものの、対応が遅れている学校法人も少なくありません。多くの学校法人では、優秀な教職員の確保や教員の質の維持・向上が課題となっており、専門性の高い分野や地方では人材不足が深刻です。さらに、魅力的な学校施設は生徒獲得のために欠かせませんが、施設の老朽化が進んでいる学校では、改修や建て替えの費用が大きな負担となっています。  

苦境を乗り越えるためのM&A  

学校法人が経済的な苦境を乗り越えるためには、M&Aの実施を検討しなければならない場合もあるでしょう。ここでは、学校法人のM&Aの手法についてご紹介します。

  • M&Aで競争力を高める
    日本私立学校振興・共済事業団は、「学校法人の経営改善等のためのハンドブック」を公表しています。これは、学校法人が経営改善に取り組むための助けとして備えられたものです。このハンドブックの中では、経営改善計画の進め方が具体的に記されていますが、計画を実行しても経営が改善しない場合には、再生や合併等の採択も推奨されています。実際、経営を改善するためにM&Aを実施するケースも増えてきており、現時点では経営難に陥ってはいなくても、将来を見据えてM&Aに乗り出す学校法人の例もあります。例えば、2022年には東京医科歯科大学と東京工業大学の統合が発表され、2024年10月に東京科学大学が誕生しました。この統合の背景には種々の要因がありますが、統合によるスケールメリットを活かして、経営基盤の強化を狙うことができるでしょう。
  • 学校法人のM&A手法は?
    学校法人のM&Aは、一般企業とは異なります。学校法人には株式や株主という概念が存在しないため、株式譲渡による経営権の移転というM&Aの手法は用いられません。学校法人の経営権の移転は、理事長や理事の交代によって行われ、退任する譲渡側の理事長や理事に退職金が対価として支払われます。他にも、事業譲渡や合併が学校法人のM&Aの手法として用いられます。合併の種類には、新設合併と吸収合併がありますが、学校法人のM&Aにおいては吸収合併のほうが多く活用されています。なお、M&Aを検討している学校法人は、2025年4月1日から施行される私立学校法改正により、学校法人のM&Aの手続きが厳格化されることに留意する必要があるでしょう。

まとめ

学校法人の主な収入源は学費や寄付金のほか、国や都道府県や市町村などの地方自治体から交付される補助金です。少子化は急速に進んでいるため、M&Aを検討する学校法人の数は今後さらに増えると予測されます。学校法人のM&Aは、企業のM&Aと手法や手続きなどの点で大きく異なるため、より専門的な知識が求められると言えるでしょう。

最後に

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