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2025.11.11

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M&A後の会社名は変更すべき?判断ポイントを解説

会社名は単なる名称ではなく、会社の「顔」です。M&A後の会社名を変更するかどうかは、企業統合の成否を分ける重要な意思決定だと言えるでしょう。そこで本記事では、会社名変更を判断する際の見極めポイントを多角的に解説します。

M&Aをしたら会社名は必ず変更すべき?

買収後、社名を変更する企業は多いものの、会社名は必ず変更しなければいけないわけではありません。会社名の変更の有無は、M&Aの手法や買い手・売り手の意向、M&A後の事業戦略など、様々な要因によって決定されます。

  • 株式譲渡の場合
    株式譲渡の場合、基本的に会社の法人格はそのまま存続するため、会社名を変更しないケースがほとんどです。売り手側が長年築いてきたブランド力や信用(のれん)を維持したいという意向が強く、買い手側もそれを引き継ぐメリットが大きいと判断すれば、社名はそのまま継続されます。ただし、買い手の意向や統合戦略によっては、子会社として既存のブランドを残しつつ、親会社の傘下であることを示すために社名に親会社の名称を加える、といった軽微な変更が行われることもあります。実例として、Zホールディングス(旧ヤフー株式会社)とLINE株式会社が経営統合し、その後のグループ再編により、旧ヤフー株式会社の社名が「LINEヤフー株式会社」に変更された例が挙げられます。
  • 合併の場合
    合併の場合、複数の会社が一つになるため、いずれかの社名に統一するか、新しい社名に変更することが多いです。特に吸収合併では、吸収される側の会社は法人格が消滅するため、その社名も法律上は使用できなくなります。しかし、長年のブランド認知度や顧客の愛着、取引関係を失うリスクを考慮して、吸収される側の会社名が残される場合も。例えば、2006年1月1日、東京三菱銀行はUFJ銀行を吸収合併し、商号を「株式会社三菱東京UFJ銀行」に変更しました。その後、2018年4月1日に現在の「株式会社三菱UFJ銀行」に商号変更しています。これは、「UFJ」の地域的な浸透度を継承することを目的として、吸収された側の会社名が残された例です。
  • 事業譲渡の場合
    事業譲渡は、会社全体ではなく、特定の事業や資産などを個別に売買する手法です。この場合、譲渡会社の法人格はそのまま残り、事業だけが買い手に移るため、売り手側の会社名に影響はありません。買い手側は戦略として、取得した事業の部門名を変更したり、新設の子会社として独自の社名を付けたりすることがあります。例えば、2018年にシャープが東芝のPC事業を譲り受け、2019年には「Dynabook株式会社」が誕生しました。これは、シャープという親会社の傘下で、旧東芝のPC事業が「Dynabook」というブランド名を引き継ぎ、事業ブランドが独立した会社名になった例として挙げられます。

会社名変更の判断要素は?

M&A後の会社名変更は、以下の点を総合的に考慮して判断されます。

  • ブランド戦略・市場認知度
    長年の顧客は、馴染み深い社名がなくなることで、企業文化やサービス内容が変わってしまうのではないかという不安を抱きます。そのため、社名を変更すると、既存顧客の混乱や離反を招く場合が少なくありません。買収される側の会社が強力なブランド力や高い市場認知度を持っている場合には、その価値を維持するため、社名を変更しない方向で検討されます。
  • 新しい企業イメージの構築
    M&Aを機に、全く新しい事業領域に進出したり、複数の事業を統合して新たな価値を創造したりする場合、そのビジョンを体現する新しい社名を考案することがあります。ゼロから知名度を築くコストと労力を伴いますが、将来的な成長の象徴となる可能性があります。  
  • 従業員のエンゲージメント
    社名変更が、従業員の士気にどう影響するかという点も考慮しなければなりません。一般的に、慣れ親しんだ社名が変更されると、従業員が不安を感じたり、帰属意識が薄れたりする可能性があります。新しい企業文化を象徴するために新社名にする場合には、社名変更の意義を丁寧に説明し、従業員の納得を得ることが重要です。  
  • 法務・経済的コスト
    社名変更には、商業登記の変更、各種許認可の変更、銀行口座や契約書の名義変更、名刺・看板・ウェブサイト・システムなどの変更、広報活動など、金銭的にも時間的にも多大なコストが発生します。 既存の取引先との契約書の名義変更や再締結が必要になる場合があり、これにより取引に一時的な混乱が生じる可能性も考慮する必要があるでしょう。
  • 買い手と売り手の合意・交渉
    基本的にM&A後の社名変更の決定権は、新しい株主である買い手企業にあります。しかし、売り手側が社名の維持を強く希望する場合、M&Aの交渉過程でその要望を伝え、契約条件に盛り込むことも可能です。ただし、買い手の戦略によっては、要望が完全に受け入れられない場合もあります。

まとめ

M&A時の会社名変更は、企業の将来を左右する重要な戦略的判断です。会社名を変更するかどうかは、M&Aの手法やM&A後の事業戦略などで決まります。会社名変更の判断基準は多岐にわたり、将来に大きく影響するため、慎重に検討する必要があるでしょう。

最後に

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