2025.10.15
M&Aコラム
M&Aへの確かな道筋!CVCが拓く「お試し」買収戦略
M&Aは企業成長の強力な手段となり得ますが、巨額の資金と統合の難しさというリスクも伴います。特に、不確実性の高い新規事業分野では、 M&Aを慎重に進めることが求められます。そこで注目されるのが、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)です。今回は、M&AのプレステップとなるCVCの活用についてご紹介します。
企業価値を向上させるCVC
先進的・成長志向の企業においては、CVCの活用が一般化しています。大企業は、CVCからどのようなメリットを得られるのでしょうか?
- CVCとは?
CVCは、 Corporate Venture Capital(企業ベンチャー投資)の略で、外部のイノベーションを取り込み、企業価値を向上させるための重要な戦略的手段です。具体的には、新規事業創出や既存事業強化、技術獲得など、大企業が自社の戦略的目的のために、今後大きく成長すると見込まれている分野のスタートアップ企業に自己資金を投じる活動のことを指します。子会社を設立したり、専門ファンドを立ち上げたりするなどして、大きなシナジー効果が期待できる企業に投資するのが一般的です。
- なぜ大企業はCVCをするのか?
大企業がCVCを行うのは、近視眼的な金銭的利益の追求と言うよりも、未来の事業を育てる戦略的投資です。いわば、未来の競争力を確保するための「種まき」のようなものだと言えるでしょう。CVCにより、自社だけでは思いつかないような新しい技術やビジネスモデルを持つスタートアップに投資することで、そのイノベーションを自社に取り込むことが可能です。また、既存の事業をより強く、広げるための手段ともなります。例えば、製造業の会社がAI技術を持つスタートアップに投資すれば、自社の生産ラインを効率化したり、新しいサービスを開発したりできるでしょう。さらに、最先端のスタートアップに投資することで、これからどんな技術が伸びるのか、どんな市場が生まれるのかといったトレンドをいち早くキャッチすることも。これは、自社の将来の戦略を立てる上で非常に役立ちます。
CVCがM&Aのプレステップになる理由
大企業だったとしても、いきなり会社を買収するのはハイリスクです。こうした背景から、まずはCVCを活用することでリスクを抑えつつ将来のM&Aに備えることが可能です。ここでは、CVCがM&Aの布石になる理由についてご紹介します。]
- スタートアップとの相性を見極めるのに役立つ
M&Aの最大の失敗要因の一つは、買収後の組織文化や事業シナジーのミスマッチです。CVCによる出資は、本格的な統合の前に、スタートアップの技術、ビジネスモデル、経営陣、そして企業文化との相性を、比較的少額の投資でじっくりと見極める機会となります。共同での事業開発や実証実験を通じて、実際にどれだけのシナジーが見込めるのか、統合した場合の課題は何かを事前に肌で感じることができるでしょう。・M&Aのための情報収集と関係構築に役立つ
CVCを通じて、投資先の詳細な情報や市場の動向をリアルタイムで把握できます。これは、M&Aにおけるデューデリジェンスをより深く、正確に行うための貴重なインプットとなります。また、投資家と投資先という関係性から、信頼関係を構築しやすくなります。そのため、将来M&Aへと進む際に、友好的な交渉につながる土台を作ることが可能です。・M&Aのターゲット候補の育成に役立つ
残念ながら、全てのCVC投資がM&Aに繋がる訳ではありません。しかし、CVCで投資したスタートアップが将来大きく成長した場合には、状況が変わってくるでしょう。自社がその成長を支援してきたという実績は、買収交渉において大きなアドバンテージになり得ます。CVCは、外部のイノベーションの種を自社で育て、最適なタイミングと条件で刈り取るための戦略的ツールとも言えるでしょう。
まとめ
大企業によるCVCは、M&Aにつきまとう不確実性やリスクを低減し、より戦略的で確度の高い企業成長を実現するための賢い先行投資です。買収する前に、CVCでまず少数株主として投資して共に仕事をすることで、そのスタートアップの技術力や経営陣、企業文化などをじっくり見極めることができるでしょう。
最後に
もしM&Aに関して相談の機会を希望される方はこちらの「M&A Pass」がオススメです。
↓
M&Aにおける充実したサポートを基本合意まで
無料で受けられるマッチングサイトはこちら▶️
M&A Passは、審査を通過した企業のみが掲載されている完全審査制M&Aマッチングサイトです。
全工程をオンラインのみで完結するサイトとは違い、マッチング後はファイナンシャルアドバイザーがリアルでサポート。
初めてのM&Aに不安を感じる経営者の近くで伴走します。
会員登録やサービス利用は完全無料です。
まずは情報収集の一環として、ぜひM&A Passへの会員登録をお願いいたします。
売り手の会員登録はこちら
買い手の会員登録はこちら
登録方法のサポートが必要な方はお気軽にお電話くださいませ。
M&A Passサポート窓口 0120-984-985(平日9:00〜17:30)