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2026.01.05

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M&Aによる売却益を退職所得で受け取るとお得な理由とは?

M&Aで会社を売却する際、売却益は譲渡所得として課税されます。しかし、これを退職金として受け取ると、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。本記事では、その鍵となる退職所得の税制優遇措置とお得になる理由をわかりやすく解説します。

M&Aの退職金スキームについて

M&Aによる会社の売却益を、経営者への退職金(退職所得)として受け取ることは、税制上の優遇措置を活用できるため、税負担を大幅に軽減する非常に有効な手段だと言えるでしょう。その理由は下記の通りです。

1. 分離課税の適用

日本の税制では、給与所得や事業所得などの総合課税と異なり、退職所得は他の所得と合算されずに分離して課税されます。これにより、退職所得だけが独立した税率で計算されるため、所得税率が急激に上がることを防ぎます。

2. 退職所得控除額が大きい

退職所得には、退職所得控除という非常に大きな控除が適用されます。長年の勤労に報いるという税制上の配慮から設けられており、退職所得の税負担が軽くなる主要な理由の一つです。勤続年数によって控除額が大きくなるため、同じ金額の退職金を受け取っても、勤続年数が長いほど税金が安くなるという特徴があります。

<具体的な計算例>

勤続10年の場合(勤続20年以下)

40万円×10年=400万円

400万円までの退職金は非課税となります。

勤続30年の場合(勤続20年超)

800万円+70万円×(30年−20年)=1,500万円
1,500万円までの退職金は非課税となります。

3. 課税対象額のさらなる圧縮

退職所得控除を差し引いた後の金額は、さらに2分の1を乗じた金額が課税対象となります。これにより、課税対象となる金額が半分に圧縮され、結果として支払うべき所得税と住民税が大きく下がります。

<具体的な計算例>

勤続30年、退職金3,000万円の場合

退職所得控除額: 1,500万円
控除後の金額: 3,000万円 – 1,500万円 = 1,500万円
課税退職所得金額: 1,500万円 × 1/2 = 750万円

この750万円に対して、所得税と住民税が課税されます。もし、同じ金額を給与所得として受け取った場合と比較すると税負担の差は歴然です。

退職金スキームを活用するメリットは?

税負担を大幅に軽減する退職金スキームは、売り手・買い手の双方にメリットがあるため、M&Aの交渉において重要な論点となります。

売り手のメリット

このスキームを活用すれば、売り手である経営者の手取り金額を増やすことが可能です。退職所得の実効税率は、株式譲渡所得の税率よりも低くなることが多く、同じ金額を受け取っても手元に残る金額が大幅に増えます。

買い手のメリット

退職金スキームは、買い手側にも税制上のメリットをもたらします。買い手は、M&Aの対価として支払う株式の取得費用を損金として算入することはできません。しかし、売り手経営者への退職金は、適正な金額であれば損金算入が可能です。これにより、退職金を支払った事業年度の課税所得を圧縮し、法人税を軽減する効果があります。また、売り手企業がM&A前に退職金を支払う場合、その分の現預金は減少します。買い手は、退職金の支払いを考慮して買収価格を調整できるため、手出しとなる買収資金を抑えることが可能です。

M&Aにおける退職所得活用の注意点は?

退職金スキームは、M&Aによる売却益にかかる税金を大幅に軽減する非常に有効な手法です。しかし、この節税策を成功させるには、いくつかの注意点をクリアする必要があります。まず、経営者に支払う退職金が不相当に高額であると税務当局に判断された場合、損金として認められず、企業側に追徴課税が課されるリスクがあります。これを避けるため、同業種・同規模の相場や功績倍率法といった専門的な手法を用いて、適正な金額を設定しなければなりません。また、退職金スキームは主に株式譲渡と組み合わせて効果を発揮するため、事業譲渡など他のM&A手法とは税務上の扱いが大きく異なります。そのため、M&Aのスキーム全体を慎重に設計し、専門家と連携しながら最適なプランを構築することが不可欠です。

まとめ

M&Aのスキームを設計する際、株式譲渡対価の一部を退職金として受け取ることで、売却益にかかる税金と退職金にかかる税金をそれぞれ最適化し、全体としての税負担を最小限に抑えることが可能になります。ただし、退職金の金額や妥当性については、税務当局から不相当に高額であると指摘されるリスクもあるため、専門家と連携して適切な金額設定とスキーム設計を行うようにしましょう。

 

最後に

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