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2023.12.24

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DCF法とマルチプル法の活用

はじめに
企業価値評価は、M&A(企業の合併・買収)における重要なプロセスの一つです。買収対象となる企業の適正価値を見極め、適正な価格で取引を行うためには、正確な企業価値評価が欠かせません。本記事では、M&Aにおける主要な企業価値評価法であるDCF(割引現在価値)法とマルチプル(類似会社比較)法について、具体的な計算方法やそれぞれの利点と欠点、さらには適用例などを詳しく解説します。

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p>企業価値評価の重要性

企業価値評価は、売り手と買い手が公平な取引を行うための基盤となります。売り手は自社の適正価値を知り、適正な価格で事業を譲渡することを目指します。一方、買い手は投資対象となる事業の真の価値を把握し、過剰な価格を支払うことなく取引を行いたいと考えます。したがって、正確な企業価値評価は、双方が納得のいく価格で取引を進めるために不可欠なステップと言えます。

企業価値評価法の選択

企業価値評価法の種類は、インカムアプローチ、コストアプローチ、マーケットアプローチの3つです。インカムアプローチは、将来の利益を現在価値に換算する方法で、代表例にDCF法があります。コストアプローチは、企業の資産価値に基づく方法で、時価純資産法や簿価純資産法などがその例です。市場価格に基づく方法のマーケットアプローチには、いくつか手法がありますが、マルチプル法が代表例に挙げられます。M&Aで広く用いられている、インカムアプローチのDCF法とマーケットアプローチのマルチプル法とは、どのような手法なのでしょうか?

DCF法による企業価値評価

DCF法とは

DCF(Discounted Cash Flowの略)法とは、企業が将来生み出すと予想されるキャッシュフローを現在価値に換算し、その合計を企業価値とする評価法です。DCF法によって具体的な金額を算出できるため、合理的な企業価値評価の手法として知られています。また、DCF法を通じて株式市場の相場変動に影響されない企業の価値を見極められ、企業の将来の収益力を考慮した評価が可能となりますから、成長性のある企業の評価に特に適していると言えるでしょう。

DCF法の計算手順

DCF法による企業価値評価の基本的な計算手順は、以下の通りです。
フリーキャッシュフロー(FCF)の算出:FCFは、企業が将来的に生み出すと予想されるキャッシュフローです。FCFは、各期の営業利益に非現金費用(主に減価償却費)を加え、必要な投資額を引き、税金を差し引いたものとなります。
割引率の設定:割引率は、将来のキャッシュフローを、現在価値に換算する際の割引率のことです。一般的に、DCF法における割引率には加重平均資本コスト(WACC)が用いられます。加重平均資本コストとは、企業の借入による資金コストと自己資本である株主資本コストを加重平均したものです。
将来のFCFを現在価値に換算: 各期のFCFを設定した割引率で割引し、その合計を求めます。これが企業価値となります。

DCF法のメリットとデメリット

DCF法のメリットは、企業の将来の収益力を直接的に評価できること、企業の成長性やリスクを具体的な数値で反映できることなどです。一方、デメリットとしては、将来のFCFや割引率の設定に大きな主観が介入するため、評価結果が大きく変動する可能性があることが指摘されます。

マルチプル法による企業価値評価

マルチプル法とは

マルチプル法は、同業他社または類似の企業の株価や財務指標を基に、企業価値を求める方法です。同じ業種の企業や同様の事業を展開する企業の財務データと比較することで、評価対象の企業の適正な価値を導き出します。マルチプル法は、市場価格に基づく評価が可能であるため、市場の評価を直接反映した企業価値の算定が可能です。

マルチプル法の計算手順

マルチプル法による企業価値評価の基本的な計算手順は、以下の通りです。
比較対象の選定:事業内容や規模、財務上の特徴などを基準に類似企業を選びます。比較対象となる企業は、株式が市場で売買されている上場企業である必要があります。
倍率の計算:倍率指標を選定するには、株式市場が着目している指標を見極める必要があります。倍率の指標にはいくつか種類あり、PER(株価収益率)、PBR(株価簿価倍率)、EV/EBITDA(利払い前・税引前・減価償却前利益)などがあります。
企業価値や株主価値の算定:計算した倍率を評価対象の企業の財務指標に適用し、企業価値や株主価値を算定します。

マルチプル法のメリットとデメリット

マルチプル法のメリットは、市場の評価を直接反映した企業価値評価が可能であること、計算が比較的容易であることが挙げられます。また、類似企業と比較して企業価値を算出するマルチプル法を用いることで、客観的な評価が可能です。デメリットとしては、適切な比較対象の選定が難しいこと、市場価格が必ずしも適正価格を反映しているとは限らないことが挙げられます。

企業価値評価の活用

企業価値評価は、M&Aの取引価格の決定だけではなく、企業の経営戦略の策定や投資判断の基準としても活用されます。DCF法やマルチプル法による企業価値評価を理解し、適切に活用することで、より正確な経営判断や投資判断が可能となります。

まとめ

M&Aにおける企業価値評価法であるDCF法とマルチプル法は、それぞれにメリットとデメリットがあります。企業価値評価は、M&Aの成功に不可欠なプロセスです。M&Aを成功に導くためにも、企業価値評価の各手法を十分に理解し、適切に活用しましょう。

最後に

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