2024.11.06
M&Aコラム
M&Aブームとは?アメリカのブームの特徴について
企業の成長戦略として、さまざまなメリットを追い求めて実施されるM&A。過去に幾度もブームが起きているM&Aですが、M&Aブームとはいったいどのような状態を指すのでしょうか?今回は、M&Aブームと何度もブームを迎えているアメリカのM&Aの特徴についてご紹介します。
■M&Aブームとブーム終焉のきっかけ
近年、経済メディアなどを通してよく見聞きするようになったM&A。しかしながら、企業や事業の経営権を売り買いすることは、かなり以前から行われてきました。M&Aブームとは、どのようなものなのでしょうか。
・M&Aブームとは
ブームとは、急激にある物事がもてはやされたり、ある事柄が頻繁に行われたりすることを意味する言葉です。すなわちM&Aブームとは、M&Aが活発に行われている状態のことを指します。
M&Aがもっとも盛んに行われているアメリカでは、M&A教育や文化が定着しており、M&A実施のハードルが低い傾向にあるようです。そのような背景から、アメリカでは、大規模なものから小規模なものまで年間を通してかなりの件数のM&Aが実施されており、ここ100年ほどですでに何度もM&Aブームが起こっています。
・M&Aブームの終わり
一般的に、アメリカでは1890年代から第一次M&Aブームが起こったとされており、第五次M&Aブームは2000年に終了したといわれています。アメリカにおけるM&Aの「波」については、これまで数多くの研究が行われてきましたが、第一次ブームでは大企業が中小の競合他社を買収し、同一業種の企業同士によるM&Aである水平型M&A、いわゆる水平統合が目立ちました。
この第一次ブームは、1907年に起こった金融恐慌をきっかけに終息します。このように、M&Aブームの終わりには、必ずきっかけとなる事柄があると考えられています。アメリカのM&Aブームを研究したオランダのティルブルフ大学の研究レポートによると、M&Aブームの終わりには経済不況や経済危機、戦争が関係しているケースが多く見られることが判明しました。
■M&A先進国であるアメリカのM&Aブーム
M&Aの先進国であるアメリカでは、何度もM&Aブームが起こっています。アメリカのM&Aブームや市場を理解することは、M&Aの歴史と動向を理解するのに役立つでしょう。ここでは、アメリカのM&Aブームの特徴についてご紹介します。
・第一次から第三次M&Aブーム
アメリカの第一次、第二次M&Aブームは、主にアメリカ国内に限られたものでした。第一次ブームの主流が水平統合だったのに対し、第二次ブームでは企業が供給源を買収する後方統合、企業が自社の販売チャネルや小売業者を買収・統合し、顧客と直接接触が可能になる前方統合などの垂直統合が人気となります。約10年ほど続いたこの第二次M&Aブームは、1929年の株式市場の暴落によって終焉しました。
1929年にアメリカを皮切りに始まった大恐慌、そして第二次世界大戦の間、M&Aの活動は低下します。1955年から始まったとされるアメリカの第三次M&Aブームは、同一業種の企業同士によるものではなく、より多角化になります。この時期のM&Aブームにより、異業種間の企業の合併・買収が行われ、複合企業(コングロマリット)が台頭することになりました。しかし、このブームも、イラン革命がきっかけとなったオイルショックの影響で終わりを迎えます。
・第四次と第五次ブームの特徴
1980年代に始まったとされる第四次M&Aブームでは、大企業が中小企業を買収して各業界内に多大な影響を及ぼす業界再編M&Aが目立ちました。19年も続いたベトナム戦争後、アメリカでは、低下した国際競争力を取り戻そうとの動きが活発になります。
その結果、M&Aは、競争力を取り戻すための手段とみなされました。このブームの間には、アメリカの投資ファンドであるコールバーグ・クラビス・ロバーツが、レバレッジバイアウト(LBO)により、RJRナビスコを250億ドルで買収しています。
株式市場の暴落と共に終わった第四次M&Aブームに続き、1993年からは第五次ブームが始まりました。この第五次M&Aブームでは、現在でもよく見られるクロスボーダーM&Aが目立つようになります。このブームの終わりは、インターネットバブルの崩壊によってもたらされました。
アメリカでは、ヘルスケアやエネルギー業界で大規模なM&Aが行われています。また、テクノロジーや金融業界でのM&Aの件数も多く、2020年代には中国企業の進出による市場の成長が見られました。近年、政府による規制強化があるものの、依然としてアメリカがM&A大国であることには変わりないといえるでしょう。
■まとめ
アメリカのM&Aブームの特徴を知ることで、M&Aの過去のトレンドや歴史を学ぶことができます。M&A先進国であるアメリカのM&A市場理解を深めることは、世界的なM&Aのトレンドを理解することに繋がるでしょう。
最後に
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