2025.08.18
M&Aコラム
アウトバンドM&A!日本企業による海外M&Aが活発な理由とは?
日本のM&A市場は、近年活発化しています。特に、日本企業が海外企業を買収するアウトバンドM&Aが市場を牽引しており、今後もその傾向は続く見込みです。今回は、日本企業による海外M&Aが活発になっている理由についてご紹介します。
なぜアウトバンドM&Aが増えているのか?
2023年、世界のM&A市場は、金利上昇などの影響で減速傾向にありました。そんな中、日本のM&A市場は、アウトバンドM&Aを中心に順調に成長を遂げています。円安にもかかわらず、なぜアウトバンドM&Aが活発なのでしょうか?
- 新たな市場を開拓する必要性から
日本の総人口は、13年連続で減少傾向にあります。また、日本は超高齢化社会に突入したことで消費の中心が高齢者層に移っており、市場の成長が鈍化しています。このように成熟した国内市場において、企業は新たな市場の開拓や事業の多角化を進めなければ、生き残るのが難しい時代になりました。アウトバンドM&Aは、高い成長が見込まれる、海外市場への足掛かりとして有効な手段となっています。 - 競争力を高める手段として
競争が激化している市場で優位性を保つことは、企業の持続的な成長と収益性の向上に不可欠です。その点、アウトバンドM&Aを通して、海外企業が持つ先進的な技術やノウハウ、ブランド力などを獲得するなら、自社の競争力を高めることができるでしょう。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)や環境技術など、成長分野における技術獲得を目指して、海外企業とM&Aを検討する企業も少なくありません。 - 円安がもたらす多面的な影響
円安は海外企業の買収に必要な資金を増加させる一方で、海外で得た収益を円換算した場合の価値を高める効果もあります。また、円安によって日本企業の海外資産の価値が高まり、M&Aの資金調達に有利に働くケースもあります。
- 事業の多角化を目指して
グローバルな事業展開を加速させるために、M&Aを積極的に活用する企業が増えています。アウトバンドM&Aには、法規制・税制の違いや PMI(買収後の統合プロセス)の難しさなどの課題もあります。しかし、事業を多角化したり、複数の国や地域に展開したりすることにより、特定の国や地域の経済変動によるリスクを分散可能です。 - 低金利で買収資金の借入コストが低い
日本銀行は金融緩和政策を継続しており、低金利環境が維持されています。これにより、企業は比較的低い金利で買収資金を借り入れることが可能に。世界的なインフレや金融政策の転換などにより、将来的に金利が上昇する恐れはありますが、このまま低金利が維持されるのであれば、アウトバンドM&Aはさらに活発になると考えられます。
日本企業によるアウトバンドM&Aの事例
日本企業によるアウトバンドM&Aは、近年も活発に行われています。以下に、代表的な事例をいくつかご紹介します。
事例1: アステラス製薬による米バイオ医薬品企業Iveric Bio社の買収
山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して発足したアステラス製薬は、2023年に米国の眼科領域のバイオ医薬品企業であるIveric Bio社を約80億ドルで買収しました。この買収により、アステラス製薬は眼科領域のパイプラインを強化し、成長戦略を加速させることを目指しています。
事例2: 日本ガイシによるドイツの機械装置メーカーDeutsche KNMを買収
日本ガイシ株式会社は、2025年2月にドイツの Borsig社の持株会社であるDeutsche KNMを買収しました。日本ガイシ株式会社は、自動車排ガス浄化用セラミックスや蓄電システムなどを手掛けており、カーボンニュートラル関連事業の強化を図っています。今回のこの買収により、日本ガイシ株式会社はBorsig社の技術力と販売網を活用し、欧州のカーボンニュートラル市場での事業拡大を目指します。
まとめ
国内M&Aも海外M&Aも増加傾向にある日本。海外M&Aの中でもアウトバンドM&Aは、新たな販路開拓やグローバルな競争力を強化するための手段の一つです。海外市場に目を向けるのであれば、自社の規模、業種、戦略に合わせて、最適なグローバル展開の形態を選択する必要があるでしょう。
最後に
もしM&Aに関して相談の機会を希望される方はこちらの「M&A Pass」がオススメです。
↓
M&Aにおける充実したサポートを基本合意まで
無料で受けられるマッチングサイトはこちら▶️
M&A Passは、審査を通過した企業のみが掲載されている完全審査制M&Aマッチングサイトです。
全工程をオンラインのみで完結するサイトとは違い、マッチング後はファイナンシャルアドバイザーがリアルでサポート。
初めてのM&Aに不安を感じる経営者の近くで伴走します。
会員登録やサービス利用は完全無料です。
まずは情報収集の一環として、ぜひM&A Passへの会員登録をお願いいたします。
売り手の会員登録はこちら
買い手の会員登録はこちら
登録方法のサポートが必要な方はお気軽にお電話くださいませ。
M&A Passサポート窓口 0120-984-985(平日9:00〜17:30)