2025.10.06
M&Aコラム
清酒・日本酒業界への新規参入は可能か?M&Aで広がる事業機会
約2000年もの歴史を持つと言われる日本酒。日本の四季や文化と深く結びついている日本酒は、世界で人気を集めているものの、国内需要は低下の一途を辿っています。今回は、そんな清酒・日本酒業界のM&Aの動向についてご紹介します。
清酒・日本酒業界の現状について
明治時代初期に酒造業が自由化され、多くの酒蔵が誕生しました。しかし現在では、蔵数が大幅に減少しており、日本酒業界では経営難や後継者不足が顕著な問題となっています。
- 日本酒の国内需要は低迷中
日本酒造りの原型となる技術が発展し始めたのは、奈良時代のことでした。それ以前の時代にも、米を原料とした酒は造られていましたが、透明な日本酒(清酒)が誕生したのは室町時代のことで、清酒の醸造法が確立されたのは江戸時代初期の頃だと言われています。古くから日本国内で愛されてきた日本酒ですが、ピーク時であった1973年を境に、国内出荷量は年々減少。発泡酒やチューハイなど、安くて手軽に飲めるアルコール類に人気を奪われた日本酒の国内人気は低迷中です。加えて、「令和の米騒動」による各地の酒蔵、日本酒業界への影響も見逃せません。食用米よりも価格が高い酒米ですが、食用米の価格高騰により酒米の作付けが減り、酒米の価格が上昇する可能性があります。結果として、日本酒の価格が高くなり、さらなる日本酒離れが生じると予測されます。 - 高まる日本酒の海外人気
日本酒の国内需要は低迷していますが、海外での人気は高まりつつあります。海外における日本食ブームに伴い、日本酒も「SAKE」として浸透し、認知度も向上しています。2024年末には、「伝統的酒造り」として、ユネスコ無形文化遺産への登録が決定しました。これにより、日本酒をはじめ、焼酎や泡盛への注目が高まり、海外での販路拡大を目指す酒蔵が増えています。日本酒造組合中央会によると、日本酒の海外輸出量は10年で約4倍にも増加しているとのこと。今後、清酒・日本酒業界で生き残るためには、海外需要の取り込みが不可欠であると言えるでしょう。
清酒・日本酒業界への新規参入はM&Aで
後継者不足や経営難で廃業に追い込まれる酒蔵が増える中、日本酒業界への新規参入を検討する起業家も少なくないようです。ここでは、清酒・日本酒業界への参入には、M&Aがオススメな理由についてご紹介します。
- 清酒製造免許の新規取得が困難なため
清酒造りには、国税庁が発行する酒類製造免許が必要です。しかし、日本国内で清酒製造の新規免許を取得することは、非常に難しい状況が続いています。事実上、既存の酒蔵をM&Aで引き継ぐ以外に、清酒製造業に参入する方法はほとんどありません。現在、輸出用清酒製造免許の取得は可能ですが、この免許では国内で清酒を販売することは禁じられています。そのため、国内販売向けの清酒製造を検討しているのであれば、M&Aがオススメです。 - 既存の資産・ノウハウ・人材の獲得が可能
酒蔵を一から建設し、設備を整えるには多額の費用がかかります。また、清酒造りは非常に専門的な知識と長年の経験を要する技術です。しかし、M&Aを通じて、醸造設備、熟練した杜氏や蔵人、長年の酒造りによって培われたノウハウ、既存の取引先や顧客基盤、そして何よりも「蔵のブランド力」を一度に手に入れることが可能です。 - ブランド力と歴史の継承が可能
酒蔵にはそれぞれ歴史と伝統があり、それがブランドとして消費者に認識されています。そのため、M&Aによってこのブランドを引き継ぐことで、新規参入では得られない信頼と認知度を最初から得ることができます。特に、地域に根差した酒蔵は、地域の人々との強い絆や信頼関係を築いている場合が少なくありません。M&Aによって酒蔵が存続することは、雇用が守られ、地元の文化である酒造りが引き継がれ、地域経済が活性化します。地域に大きなメリットをもたらすM&Aは、スムーズな事業承継を可能にすると言えるでしょう。 - 事業規模の拡大とシナジー効果が期待できる
既存事業を持っている企業が酒蔵をM&Aにより買収する場合、既存の販売チャネルやマーケティングノウハウを活用して、買収した酒蔵の事業規模を拡大できる可能性があります。また、異業種からの参入であれば、DX推進や新たな技術導入など、従来の酒蔵では難しかった革新的な取り組みを進めることも可能です。特に、海外市場への進出を目指すのであれば、伝統と革新を融合できるM&Aは有効な手段だと言えます。
まとめ
酒蔵を一から作ることは、現状の日本においては現実的ではありません。そのため、日本酒業界への参入を考える場合、既存の酒蔵をM&Aで引き継ぐことが、最も実現可能性の高い方法だと言えるでしょう。
最後に
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