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2025.12.30

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違約金のリスク!テール条項によるM&Aトラブルを防ぐには

M&Aが成立して無事に事業承継が完了したはずなのに、ある日突然、M&A仲介会社から高額な違約金を請求される。その原因は、M&A仲介契約に潜むテール条項かもしれません。本記事では、M&Aの成功後にトラブルを引き起こしかねないテール条項の基本知識から、そのリスクを未然に防ぐための具体的な対策までを解説します。

テール条項はなぜ重要なのか?

M&A仲介会社は、時間をかけて相手を探し、交渉の橋渡しを行います。テール条項は、そんな仲介業者を守るために設けられます。

テール条約とは?

M&Aにおけるテール条項とは、M&A仲介会社との契約が終了した後も、一定期間内に仲介会社が紹介した相手とM&Aが成立した場合、仲介会社が成功報酬を請求できるというものです。テール条項は、M&A仲介会社が不当に報酬を得られない事態を防ぐことを目的に設けられます。一般的に、M&Aのプロセスは長期化しがちです。そのため、仲介会社への手数料を避けたい依頼者が、仲介契約を打ち切って相手と直接交渉を始めるケースが発生することがあります。テール条項は、このような行為を防止し、仲介会社の正当な利益を保護するために設けられます。

テール条項の留意点

テール条項は、あくまで仲介会社と依頼者の間で自由に設定される任意の条項です。多くのM&A仲介契約に含まれていますが、必ず設けなければならないものではありません。主に仲介会社を守るためのものであるものの、依頼者側にも一定のメリットがあり、仲介会社が安心して最後までサポートしてくれるため、M&Aの成功確率が上がると考えられます。しかし、依頼者にとっては、契約終了後も予期せぬ手数料の支払い義務が生じるリスクがあります。

テール条項にまつわる3つのトラブル事例

M&Aにおけるテール条項はトラブルになりやすい要素の一つです。下記に、テール条項にまつわるトラブルの事例をご紹介します。

事例1:契約期間が過ぎたから安心?

中小企業を経営するA社長は、事業承継のためにM&A仲介会社と契約を結びました。いくつかの買い手候補との交渉が進みましたが、最終的には条件が折り合わず、契約期間満了をもって仲介契約を終了しました。 A社長は、手数料の心配はないと安心していましたが、数カ月後、以前交渉していた買い手候補と直接交渉してM&Aが成立。すると、元仲介会社から「テール期間内での成約」として成功報酬を請求されました。契約書をよく読まなかったため、契約終了後も報酬を払う義務があるというテール条項を見落としていたのです。

事例2:ノンネームシートだけで違約金発生?

M&A仲介会社からノンネームシートを受け取ったが、交渉を断ったB社長。しかし、別の仲介会社を通じて同じ会社とM&Aを成立させてしまいました。すると、最初の仲介会社から「ノンネームシートの提示も紹介に含まれる」と主張され、成功報酬を請求される事態に。契約書をよく確認しなかったため、結果として二重に手数料を支払う羽目になってしまったのです。

事例3:違約金の計算方法が不明瞭

違約金の計算方法が不明瞭なままM&A契約を結んだC社長。直接交渉でM&Aが成立した際、仲介会社から成功報酬と同額の違約金を請求されました。契約書には別途協議としか記載されておらず、想定外の高額な請求にC社長は愕然。仲介会社と交渉は泥沼化し、訴訟にまで発展し、M&A後の事業運営に大きな支障をきたしてしまいました。

トラブルを未然に防ぐための3つの対策

テール条項に関するトラブルを防ぐためにも、事前に対策を講じるようにしましょう。

契約書の内容を徹底的に確認する

M&A仲介契約書に署名する前に、テール条項に関する記述を隅々まで確認することが最も重要です。契約終了後、何ヶ月、あるいは何年間がテール条項の対象になるのかを把握しましょう。中小企業庁による中小M&Aガイドラインでは、テール期間の長さは、最長でも2〜3年以内が目安とされています。また、紹介の対象範囲が不明確だとトラブルの原因になるため、仲介会社が紹介した相手の定義がどこまでかを明確にすべきです。さらに、違約金の金額や計算方法が具体的に記載されているかを確認しましょう。

専門家にリーガルチェックを依頼する

M&A仲介契約書は専門的な内容が多く、自社だけで内容を完全に理解するのは困難な場合があります。そのため、契約書に署名する前に、M&A取引に精通した弁護士などの専門家にリーガルチェックを依頼しましょう。専門家は、テール条項だけでなく、利益相反や仲介会社の義務に関する項目など、依頼者にとって不利な条項がないかを確認し、リスクを洗い出してくれます。これにより、不当な契約を結んでしまうことを防げます。

仲介会社と事前に十分に話し合う

契約書の内容に疑問や懸念があれば、必ず契約前に仲介会社と話し合いましょう。特に、テール条項の期間や対象範囲について、自社の希望を明確に伝えて交渉することが大切です。仲介会社と事前に十分にコミュニケーションを取り、双方が納得した上で契約を結ぶことで、後々のトラブルを防ぎ、良好な信頼関係を築くことができます。これは、M&Aを円滑に進める上で非常に重要です。

まとめ

テール条項は、M&A仲介会社との信頼関係を築く上で重要な条項です。リスクを正しく理解し、契約前の確認と交渉を丁寧に行うことで、M&A後の不要なトラブルを回避することができるでしょう。

 

最後に

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