2026.02.07
M&Aコラム
M&Aとコングロマリット・ディスカウント!多角化の罠とその対策とは?
企業が成長を目指して、複数の異なる事業を傘下に収める多角化戦略をコングロマリットと呼びます。成功した巨大企業のイメージが強いコングロマリットですが、実は市場から低く評価される、コングロマリット・ディスカウントという罠に陥りやすいことで知られています。本記事では、コングロマリット・ディスカウントの発生要因と対策についてご紹介します。
コングロマリット・ディスカウントの主な要因
M&Aは多角化を推進するツールです。しかし、M&A後の経営努力が不十分であればコングロマリット・ディスカウントを招きます。
コングロマリット・ディスカウントについて
コングロマリット・ディスカウントとは、多角的な事業を営む企業であるコングロマリットが、その個々の事業価値を合計した額よりも、株式市場において低く評価されてしまう現象を指します。これは、市場がシナジーやリスク分散といった多角化のメリットを認めず、むしろ多角化のコストや複雑性を懸念していることの表れです。コングロマリット・ディスカウントが発生すると、経営や資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。
なぜコングロマリット・ディスカウントが発生するのか?
多くのコングロマリットは、M&Aを通じて本業と関連性の薄い事業を買収することで成長しました。しかし、この多角化がディスカウントの原因となります。コングロマリット・ディスカウントが発生する背景には、主に以下の3つの構造的な問題があります。
1. 経営資源の非効率な配分
コングロマリットは、優良事業の利益を不採算の悪い事業の温存に使う傾向があります。これにより、資金が分散し、企業グループ全体の資本効率が低下します。結果として、投資家から、事業を絞った単一事業会社よりも低く評価されてしまいます。
2. 事業のカオス化による評価の難しさ
コングロマリットは多様な事業が混在しているため、投資家は企業の全体像や成長リスクを把握しにくく、単一事業に集中する競合他社と比較して評価することが困難です。この不確実性を嫌い、投資家はリスクを懸念して評価額を意図的に低く抑える傾向があります。
3. シナジー効果の欠如とコスト増大
多角化した事業間で期待したシナジーが生まれない場合、かえって本社による管理コストや間接費だけが増大します。また、経営層の注意が分散することで、個々の事業への専門的な洞察や迅速な意思決定が不可能になり、グループ全体の非効率性が高まる可能性があり、これがコングロマリット・ディスカウントが発生の要因ともなります。
M&A戦略を活用したコングロマリット・ディスカウントの対策
M&Aはディスカウントの原因となり得ますが、戦略的なM&Aや事業再編を行うことでコングロマリット・ディスカウントを解消し、企業価値を向上させることができます。
1. 事業ポートフォリオの最適化
企業価値を最大化するため、事業を最適化することは重要です。評価を下げている事業やシナジーのないノンコア事業は、事業売却を通じて切り離しましょう。これにより得られた現金をコア事業に集中投資し、成長を加速させます。一方、成長性があるにも関わらず、本社の制約で評価が低い事業は独立させるなら、市場から本来の成長性が正当に評価され、企業価値の向上を図ることが可能に。この戦略は、コングロマリット・ディスカウント解消の強力な手段となります。
2. シナジーの見える化とPMIの徹底を
M&A後の成功には、PMI(統合プロセス)の徹底が不可欠です。M&A実行の際は、垂直統合の強化などにより、バリューチェーンの欠けている部分を補強します。これにより、明確なコスト削減やサプライチェーン効率化といった具体的なシナジー効果を定量的に示し、確実に実行します。さらに、情報開示の透明化を徹底しましょう。各事業の収益構造や成長戦略、そしてシナジーの進捗状況を投資家に詳細に開示することで、市場の評価における不透明感を解消し、企業価値向上につなげます。
3. ピュア・プレイ企業への回帰
さらなる成長を目的にコングロマリット企業になったものの、コングロマリット・ディスカウントが発生したのであれば、単一の事業分野に特化してビジネスを展開している、ピュア・プレイ企業に戻ることを検討することも重要です。ピュア・プレイ企業に回帰するためには、多角化などで得た資金や技術を、最も得意とする中核事業であるコア事業に集中投資します。これにより、企業は特定の分野に特化した、成長力の高い企業として市場に認知されるでしょう。結果として、市場のコングロマリット・ディスカウントを解消し、企業価値を最大化できます。
まとめ
M&Aは企業成長のための強力なツールですが、戦略なく多角化を繰り返すと、コングロマリット・ディスカウントという多角化の罠に陥りやすくなります。企業価値を最大化するためには、M&Aを事業を増やす手段としてだけでなく、不要なものを切り離してコアを強化する手段としても活用することが不可欠です。
最後に
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